仮想通貨で利益が出たら税金はどうなる?55%課税の真実と法人化の対策|コラム
コラム
2025.09.01
仮想通貨
仮想通貨で利益が出たら税金はどうなる?55%課税の真実と法人化の対策
「仮想通貨は半分税金で取られる」は本当?
仮想通貨投資をしている方からよく聞くのが、
「利益が出ても税金で半分取られるから意味がないのでは?」という不安です。
実際には、すべてのケースで55%の課税になるわけではありません。
この記事では、仮想通貨の税金の仕組みから確定申告の必要性、節税のポイント、法人化によるメリット・デメリットまでをわかりやすく解説します。
仮想通貨で確定申告が必要になるケース
仮想通貨の利益は「雑所得」に区分されます。申告の必要性は所得の状況で変わります。
給与以外の所得が年間20万円を超える場合
仮想通貨の利益(経費控除後)が20万円を超えると申告が必要。
給与年収が2,000万円を超える場合
金額にかかわらず確定申告が必須。利益が10万円でも申告義務あり。
副業や複数の給与収入がある場合
給与と仮想通貨の所得を合算して20万円を超えたら申告が必要。
また、住民税は20万円以下でも申告が必要です。基本的には「仮想通貨で利益が出たら申告する」と考える方が安全です。
仮想通貨にかかる税率と「55%課税」の仕組み
仮想通貨で得た利益は給与や事業所得と合算され、超過累進課税が適用されます。
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最低税率 約15%(所得税+住民税)
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最高税率 約55%(復興特別所得税を含む)
例えば課税所得195万円以下なら税率は5%ですが、所得が増えると段階的に上がり、大きな利益が出た場合に限り55%に達します。
つまり、仮想通貨は常に半分課税されるわけではなく、所得全体の金額によって税率が決まるのです。
経費として認められるもの
仮想通貨の税金計算では、経費を正しく計上することが節税につながります。
仮想通貨の購入価格(平均取得価額)
売却時の取引手数料
取引に使用したパソコン・スマートフォン代、通信費(家事按分あり)
マイニングに使用した機材費
ただし、雑所得の損失は給与所得などと通算できません。同じ雑所得の範囲では通算できますが、株式やFXとは相殺できない点に注意が必要です。
損益通算できない「雑所得」の壁と事業所得化
原則、雑所得の赤字は他の所得と相殺できません。
しかし、年間売買額300万円超+帳簿付けを行っていれば、仮想通貨の所得を「事業所得」として申告可能です。
この場合、損益通算ができるため、他の所得から損失を差し引き税負担を軽減できます。
しかしながら会社員の方にとってはハードルがあるのも事実です。
課税のタイミングは「利益確定時」
購入時の含み益には課税されず、売却・換金・決済利用の時点で課税されます。
このため「課税を避けて保有し続ける」という人も多いですが、換金できないリスクとのバランスを考える必要があります。
節税策としての法人化は有効か?
法人化のメリット
法人税率はおおむね 25%or34% 。
赤字を最長10年間繰り越せる
他の経費と損益通算が可能
法人化のデメリット
期末の含み益にも課税される
会計・申告手続きが複雑になる
例 100万円で購入した仮想通貨が決算時に1,000万円になっていた場合、売却していなくても900万円の利益に法人税が課税されます。
期末評価と納税資金のズレに注意が必要です。
このデメリットについてはガチホ(暗号資産を売らずにずっと持ち続けている投資スタイル)には大きなデメリットですが、トレードを日常で行っている方にはデメリットにはなりにくいです。
法人化を検討すべき人は?
仮想通貨で大きな利益を見込んでいる人
損失リスクも考慮しながら運用したい人
利益を事業に再投資したい人
まとめ|仮想通貨の税金対策はケースバイケース
仮想通貨は常に55%課税されるわけではなく、所得合計に応じて税率が変動する
確定申告は20万円以上の利益で必要
雑所得は損益通算ができないが、条件を満たせば事業所得化が可能
法人化は節税につながる場合があるが、含み益課税に注意が必要
弊事務所では、仮想通貨の税務戦略や法人化のシミュレーションをサポートしています。
「法人化した方が有利か」「資金繰りのリスクを避けるにはどうすべきか」といったご相談に応じていますので、ぜひお気軽にご相談ください。
執筆者 税理士 大見 光男(おおみ みつお)
税理士登録番号 156268
東京税理士会所属
大見税理士事務所|東京都目黒区・世田谷区・自由が丘/相続・暗号資産・法人税務に強い税理士
略歴
1982年 東京都大田区・六郷土手にて生まれる
2004年 日本大学卒業
2013年 大田区の会計事務所にて、中小法人・医業・不動産所得の申告・節税対策を担当
2017年 税理士登録。大見光男税理士事務所を開業
2018年 著書『だいたい3分でわかる仮想通貨の税金の話』(税務経理協会)を出版
2022年 病気療養のため一時休業
2025年 税理士に再登録し、「大見税理士事務所」を再スタート
保有資格
税理士(税理士登録番号 156268)
セミナー・講演実績
サンワード貿易株式会社 仮想通貨税金セミナー(2019年10月)
仮想通貨節税セミナー「法人化のメリット・デメリット」(2018年10月)
サンワード貿易株式会社「知っていると知らないとじゃ大違い!!」仮想通貨税金セミナー(2018年10月)
一般社団法人日本マイニング協会主催「暗号通貨投資と節税セミナー」(2018年8月・9月・10月)
税理士による仮想通貨の確定申告セミナー(2018年1月)
メディア取材
株式会社KADOKAWA「ASCII.jp」取材(2018年2月)
税理士ドットコム 取材(2018年10月)
書籍・寄稿
『税経通信』1月号 特集(税務経理協会)「仮想通貨の基礎知識と所得計算実務」(2018年12月)用語の意義
『だいたい3分でわかる仮想通貨の税金の話』(ぱる出版)」(2018年10月)

