【2025年最新版】仮想通貨の税金の基本を徹底解説(2025年最新版)|コラム
コラム
2025.09.17
仮想通貨
仮想通貨の税金の基本を徹底解説(2025年最新版)
- 仮想通貨(暗号資産)とは何か
- 個人にかかる税金の種類
- 課税対象となる主な取引
- 取得価額の計算方法(移動平均法・総平均法)
- 利益計算の基本式
- 確定申告が必要なケース
- よくある勘違い
- まとめと次回予告
- 用語の意義
本記事は初心者向けに、制度理解を優先して平易な言葉で説明しています。個別事情により取り扱いが異なる場合があります。
はじめに
ここ数年で、ビットコインやイーサリアム、NFTなど暗号資産(仮想通貨)の取引をする人が急増しました。副業感覚で少額投資している会社員の方や、取引所アプリで売買している主婦・学生の方も多いでしょう。しかし、「利益が出た場合に税金がかかる」ことを正しく理解していないと、確定申告で思わぬミスをしてしまう可能性があります。
このシリーズでは、仮想通貨取引を自分で申告したい方向けに、ステップごとに制度や計算方法を解説していきます。初回は「仮想通貨の税金の基本」について整理します。
1. 仮想通貨(暗号資産)とは何か
仮想通貨(暗号資産)は、法定通貨とは異なり国が価値を保証していません。不特定の者に対して購入・売却・他の暗号資産との交換が可能で、電子的に移転できる財産的価値を持つものです(資金決済法2条5項)。代表例はビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)などです。
2. 個人にかかる税金の種類
仮想通貨取引で得た利益は、現行制度では原則として「雑所得(総合課税)」に区分されます(所得税法27条)。
給与所得など他の所得と合算して総合課税される
税率は累進課税(5%〜45%+住民税10%)
株やFXのような申告分離課税(20.315%固定)ではない
※ただし、事業的規模で取引している場合は「事業所得」として認められることもあり、経費の範囲や損益通算の可否が異なります。
3. 課税対象となる主な取引
仮想通貨を「売った」「他の仮想通貨に交換した」「商品やサービスの支払いに使った」などのタイミングで、譲渡所得が発生します。たとえ日本円に換金していなくても、他の暗号資産に交換しただけで課税対象となる点に注意が必要です(国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いFAQ」)。
例
BTCをETHに交換 → 交換時の時価で譲渡益を計算
BTCで商品購入 → 支払時の時価で譲渡益を計算
また、マイニング・ステーキング・エアドロップなどの報酬を受け取った時点でも、その時の時価を所得として計上する必要があります(所得税法36条、国税庁FAQ)。
4. 取得価額の計算方法(移動平均法・総平均法)
同じ種類の仮想通貨を複数回に分けて購入した場合は、取得価額を「移動平均法」または「総平均法」で計算します(所得税法施行令119条)。
移動平均法 取引ごとに平均単価を更新し、直近の取得原価を反映する方法
総平均法 年内取得分の平均単価で計算する方法
移動平均法を使う場合は税務署への届出が必要で、届出がない場合は総平均法が適用されます。
5. 利益計算の基本式
利益(課税所得)=譲渡時の時価 − 取得価額(購入代金+手数料など)
マイニングやステーキングなどの報酬は、取得時の時価を総収入金額として計上します。必要経費(電気代や設備投資)は損金算入が可能です(所得税法37条)。
6. 確定申告が必要なケース
原則として、給与所得者で仮想通貨の利益が年間20万円を超える場合、確定申告が必要です(所得税法120条)。専業主婦や学生でも、雑所得が基礎控除(48万円)を超える場合は申告義務があります。
※会社に副業が知られたくない場合、住民税の納付方法(特別徴収→普通徴収へ切り替え)も申告時に選択できます。
7. よくある勘違い
「仮想通貨は換金していないから課税されない」→交換や決済利用でも課税対象
「海外取引所は国税にバレない」→取引履歴提出を求められるケースあり、送金報告制度強化
「雑所得だから損失を翌年に繰り越せる」→原則不可(ただし事業所得認定されれば可)
8. まとめと次回予告
仮想通貨取引の利益は原則「雑所得」として総合課税され、売買・交換・決済・報酬受取などのタイミングで課税が発生します。取得価額の計算方法、必要経費、確定申告の要件を理解することが第一歩です。
次回は「確定申告の準備(取引履歴の整理と必要書類)」について詳しく解説します。
「第2回 仮想通貨の確定申告準備はこちら(取引履歴の整理と必要書類)」
「オンラインカジノ×仮想通貨(暗号資産)は税務調査の重点対象に!正しい確定申告でリスク回避を」
国税庁の「暗号資産を使用することにより利益が生じた場合の課税関係」からも確認することができます。
9.用語の意義
仮想通貨(暗号資産)とは、法定通貨とは異なり国が価値を保証しないもので、不特定の者に対して購入・売却・他の暗号資産との交換が可能で、電子的に移転できる財産的価値を指します(資金決済法2条5項)。
雑所得とは、給与所得や事業所得など他の所得区分に当てはまらない所得のことで、仮想通貨取引で得た利益は原則として雑所得に区分されます(所得税法27条)。給与などと合算して総合課税されるため、累進税率(5%~45%+住民税10%)が適用されます。
総合課税とは、複数の所得を合算し、合計額に対して累進税率で課税する仕組みです(所得税法22条以下)。株式やFXのように分離課税20.315%固定ではありません。
事業所得とは、事業的規模で行っている取引から生じた所得をいい、雑所得とは異なり必要経費の範囲が広く、青色申告控除や損益通算・繰越控除が認められるメリットがあります(所得税法27条・37条)。
課税対象取引とは、仮想通貨を売却した場合だけでなく、他の暗号資産に交換した場合、商品やサービスの支払いに使った場合、マイニングやステーキング・エアドロップで報酬を受け取った場合など、資産が移動した時点で課税される取引全般をいいます(国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いFAQ」)。
マイニングとは、コンピューター処理によりブロックチェーン上の取引検証等を行い、その報酬として暗号資産を取得する行為です。取得時の時価を所得として計上し、電気代や設備費用などは必要経費に算入できます(所得税法36条、国税庁FAQ)。
ステーキングとは、一定の暗号資産を預け入れることでネットワーク維持に貢献し、その報酬を得る仕組みです。報酬を受け取った時点でその時価を所得として計上します。
エアドロップとは、一定の条件を満たしたウォレットアドレスに暗号資産が無償で付与されることです。受け取った時点の時価を所得として計上する必要があります。
取得価額とは、仮想通貨を購入した際に支払った代金・手数料・運賃・保険料など取得に直接要した費用を含めた金額のことです(所得税法36条、法人税基本通達2-2-1)。
移動平均法とは、同じ種類の暗号資産を複数回に分けて購入した場合に、取引ごとに平均単価を更新して取得原価を計算する方法です。税務署に届出がない場合はこちらが適用されます(所得税法施行令119条)。
総平均法とは、同じ種類の暗号資産について、その年内に取得した全体の平均単価で取得原価を計算する方法です。選択には税務署への届出が必要です(所得税法施行令119条)。
確定申告とは、1年間(1月1日~12月31日)の所得や税額を自ら計算し、翌年の2月16日~3月15日までに税務署に申告・納税する手続きです(所得税法120条)。給与所得者の場合でも仮想通貨の利益が年間20万円を超える場合は申告義務があります。
住民税の普通徴収とは、確定申告の際に選択することで、会社を経由せず自分で住民税を納める方法です。副業を会社に知られたくない場合によく利用されます(地方税法第321条の5等)。
執筆者情報
執筆者 暗号資産専門 税理士 大見 光男
税理士登録番号 156268
東京税理士会所属
大見税理士事務所|東京都目黒区・世田谷区・自由が丘/相続・暗号資産・法人税務に強い税理士
略歴
1982年 東京都大田区・六郷土手にて生まれる
2004年 日本大学卒業
2013年 大田区の会計事務所にて、中小法人・医業・不動産所得の申告・節税対策を担当
2017年 税理士登録。大見光男税理士事務所を開業
2018年 著書『だいたい3分でわかる仮想通貨の税金の話』(税務経理協会)を出版
2022年 病気療養のため一時休業
2025年 税理士に再登録し、「大見税理士事務所」を再スタート
保有資格
税理士(税理士登録番号 156268)
セミナー・講演実績
サンワード貿易株式会社 仮想通貨税金セミナー(2019年10月)
仮想通貨節税セミナー「法人化のメリット・デメリット」(2018年10月)
サンワード貿易株式会社「知っていると知らないとじゃ大違い!!」仮想通貨税金セミナー(2018年10月)
一般社団法人日本マイニング協会主催「暗号通貨投資と節税セミナー」(2018年8月・9月・10月)
税理士による仮想通貨の確定申告セミナー(2018年1月)
メディア取材
株式会社KADOKAWA「ASCII.jp」取材(2018年2月)
税理士ドットコム 取材(2018年10月)
書籍・寄稿
『税経通信』1月号 特集(税務経理協会)「仮想通貨の基礎知識と所得計算実務」(2018年12月)
『だいたい3分でわかる仮想通貨の税金の話』(ぱる出版)」(2018年10月)

